国試対策

キタドクが国試問題と戦う① 112回SAH

スポンサーリンク

キタドクです。

さて。今回は国試受験生がこの国試問題と戦っていきます。どんどん新コーナー増やしていきます。

題してキタドクが国試問題と戦う!のコーナーです。

受験生の僕が思ったこと、過去問研究をして気づいたことを学生目線でぶつけていきます。

間違いや意見があった際には、バシバシ指摘お願いします!!

では記念すべき第一問目をどうぞ!


kumo

2

これは、僕が受けた国家試験。112回の必修問題です。

つまり、生死を分けかねない三点問題となります。

症例問題を解くときは、まず問題文を要約することからスタートですね。

62歳女性。

4日前、起床時に生じた突然の頭痛が、

鎮痛薬を服用しても改善しないため、

意識清明な状態で

自力で受診した。

この段階だとまだわからないですね。国試受験において突然の頭痛と言えば、そう。

くも膜下出血ですね。やはりこの疾患を念頭において問題を読み進めていきましょう。

バイタルは特に問題ありませんね。項部硬直があります。

項部硬直はなんのサインでしたか。これは医学生、看護学生どちらも知らないといけませんね。
答えはこちら
項部硬直は、髄膜刺激症状の一つです。髄膜炎や、くも膜下出血の際には髄膜が敏感になっているわけですね。首を前屈させることで髄膜を伸ばすと刺激になるので疼痛が発生します。それを和らげる方向に力が働くため、後頭部や首の後ろの筋肉が硬く感じます。一種の防衛反射です。

血算ですが、白血球が9800です。基準値ぎりぎりか少し高めでしょうか。CRPも3.4ですね。

選択肢をみてみましょう。

Aの脳波はなさそうですね。

Eのインフルエンザでもなさそうです。インフルエンザ脳症というものもありますが、意識清明なので脳症の可能性は低いのではないかと思います。また、小児に多いイメージですね。

B.C.Dが勝負になってくると思います。

まずはDの拡散強調画像(DWI)からです。

国家試験的に拡散強調画像と言えば3つの用途ですね。なんでしょうか。

CTで発見できない超急性期の脳梗塞と、脳腫瘍と脳膿瘍の鑑別。CJDでしたね。

なお最近のトピックスとして、拡散強調画像が頭部以外に使われる試みがなされているようです。生検という侵襲的な検査をする前に前立腺癌や肝癌、乳がんなどで診断を補助することで精度を高めることが期待されています。聞きかじりなので、興味がある方は調べてみてください。


さて。画像を見てみましょう。ちょっと見えづらいと思いますが、星が見えますよね。右の画像はシルビウス裂が見えなくなっているように見えます。

IMG_1897

したがって画像的にはくも膜下出血なのでBが正解でしょう。動脈瘤を探しに行きます。

が、国試の時って緊張して画像が読めない。。。そんなことも有り得ますよね。

おそらく、CTが読めた人と読めてない人の差はくも膜下出血だと信じていたか信じていなかったかの差ではないかと思います。疑っていればなんとなく星に見えてくる気がしませんか?

項部硬直=髄膜炎!と覚えてしまっている方もいるかもしれませんね。

実際に髄膜炎だと思ってCの脳脊髄液検査を選んだ方もいました。

くも膜下出血では画像で診断がつかない場合には腰椎穿刺をすることもありますが、今回は画像で診断がついてしまうでしょう。

どっちだ!となった場合には主訴に立ち返ること患者さんの状態をイメージすることを徹底しましょう。

主訴―突然の頭痛

患者さんの状態―意識清明、発熱なし。白血球9800、CRP3.4と高いけど高すぎない。

イメージですが、髄膜炎だとしたらやはり発熱や意識障害も伴ってきそうです。

医学生のレベルではくも膜下出血、髄膜炎の二つを鑑別に挙げ、

くも膜下出血っぽい。髄膜炎っぽくない。

という判断で問題を解いていくのが良いかと思います。

このあたりの感覚はおそらく実臨床(受験生は問題演習)で磨いていくものなのでしょう。


スポンサーリンク

この過去問をみてみましょう。110f19です。

IMG_1896

 

多くは解説しませんが、この問題も、2日前の頭痛が実はくも膜下出血だったという問題ですね。eの血管造影を選ばせています。

 


今後の予想もかねて、ここからはくも膜下出血を疑うための材料について勉強しましょう。

くも膜下出血は、バットで殴られたような突然の頭痛、sudden onset(急激な発症)と言われることがありますが、一年で数例は歩いて受診するくも膜下出血(walk in SAH)があるようです。

 

このwalk in SAHの診断が難しく、見逃すと大事になってしまうこともあります。

研修医になったら気をつけないといけない症例だと思っています。

そこで、Ottawa SAH ruleを紹介します。これは実習中に聞いたものです。

これは簡単に言うと、以下に挙げる項目のうち1つでも当てはまった場合、くも膜下出血を疑って検索する必要があるという基準で、カナダで行われた研究によると感度100%、特異度13.6%だったそうです。

参考文献はこちら

Jeffrey J. Perry  et al. Validation of the Ottawa Subarachnoid Hemorrhage Rule in patients with acute headache.

 Canadian Medical Association Journal. 2017 Nov 13;189(45):E1379-E1385. doi:

感度が高い検査はどういう検査でしたか?これも国試によくでますね。

一緒に覚えてしまいましょう。

感度が高いということは、対象となる疾患がしっかりと陽性になりやすいということです。

病気の人が、病気と診断されやすいため見逃しが減ります。見逃しが減るというのはポイントですね。

感度の高い検査で陰性であれば、病気を否定できる可能性が高い。除外診断ですね。

どうですか?見逃しが減るということは、救急で使うにはよさそうですね。

さて、ではOttawa SAH ruleに戻りましょう。

この研究では、

1 頚部痛、項部硬直がある。頚部前屈制限がある。

2 40歳以上

3 意識消失

4 労作時発症

5 雷鳴様頭痛

どれか一項目でもあれば、くも膜下出血を疑わなければいけません。今回では1、2、(5)があてはまりますね。この問題では頭痛の強さまではわかりませんので()にしましたが、少なくてもくも膜下出血を疑わなければいけない症例であるということです。

この項目を覚えた方がいい、という意味ではありません。こういうのもあるということを皆で勉強しましょう。

国試では、何度もwalk in SAHの問題が出題されています。

110回の時の正答率は74%(QB)、そして今回の正解率は71%(講師速報)です。

ちなみに、過去10年間の問題でwalk in SAHを扱った問題を調べて見たところ、面白いことがわかりました。

108回以前では、激しい頭痛、意識障害にて搬入。といった問題が多いのに対して、

ここ数年では一度頭痛が軽快した症例が出題されています。

つまり、これはくも膜下出血を見逃さない医者になってほしいというメッセージなのでしょう。

また出題されそうな問題ですね。

研修医になる僕たちも、来年以降の受験生も、意識清明な患者さんの突然の頭痛に対してwalk in SAHを鑑別に。という記事でした。

今日のまとめ

  • 画像がどうしても分からなかった時は、主訴と病歴勝負

  • Ottawa SAH ruleというものがあり、今回の症例でもSAHを積極的に疑う必要がある。

  • walk in SAHは最近の国試のトレンドか。見逃さない意識を。

 

ランキング応援してくださる方はぽちっとお願いします!

ランキングに飛びます!
にほんブログ村 大学生日記ブログ 医大生へ
にほんブログ村

スポンサーリンク

2 thoughts on “キタドクが国試問題と戦う① 112回SAH”

  1. こんにちは。大変興味深く読ませていただきました。

    実はこの問題ですが、脳神経領域/画像診断領域からすると、
    「おお!!ついに出たね!!!!(歓喜)」と感じる問題です。(何様)

    画像を側脳室下角を目だと思ってもらうと、( ◜ . ◝ )このような顔にみえませんか?
    これ、Niko-niko signといって、日本人が命名したものなんです。

    高安病、もやもや病など、日本人がその発見に大きく関与した病気が国試で取り上げられる一方、
    日本人が貢献した画像分野は取り上げられないものか、と、出題者委員のどなたかが寂しく思っていたのかな、
    ……とこれは勝手な予想です、すみません。

    今後も日本人の関与した病態/画像診断にまで目を光らせておくと、来年度以降の予想もしやすいと思います。

    コメント、失礼致しました。
    コメント

    1. Niko-niko sign 知りませんでした…!
      顔文字、すごい分かりやすいですね!

      日本人が発見したものは出やすいというのは常々言われていますよね。
      そこまで手が回らないのが学生だと思うので、こういうブログで取り上げたら面白いかもしれませんね!

コメントを残す